大阪ふたたび


2003年05月03日


大阪ふたたび
前回の大阪行きから早くも2ヶ月半ほど経ちまして
あのとき行き損なった大阪城への想いたちがたく
これは近々行かなくてはならぬと考えていたところ
思いがけず一日自由になる日を獲得したので
大阪に再度行って来ることにしました。

ゴールデンウィークの第1日目に
大阪行きの新幹線を当日にとるというのは
もしかしたら不可能なのではと言う心配もありましたが
チケットが取れなければ行かなければいいだけのことですので
無理を覚悟で東京駅の新幹線売り場に並んだのでした。
(正確には新幹線乗車券特急券指定席券売り場ね)

さすがにほとんどの便は売り切れで
わずかに8時台のこだまのグリーンが取れるのみでした。
仕方がないのでこれに乗って出かけることにしました。
僕はこだまで大阪に行くのは初めてでしたが
大阪までがとても遠かったです。
長く新幹線になれてしまったので仕方有りませんが
大阪まで行くならせめてひかりに乗りたいものですね。


大阪での今回の予定は
大阪城、適塾、道頓堀見学であります。

大阪城は言わずとしれた豊臣秀吉の居城で
大阪冬の陣夏の陣の舞台であると
僕は漠然と考えていましたが
それは大きな間違いで
今の大阪城は秀吉時代から数えて三代目のお城だったんですね。

豊臣家の大阪城落城の後
徳川二代秀忠が大阪城再建をはじめ三代家光が完成させた
徳川大阪城は豊臣大阪城よりも遙かに大きかったそうです。
ただし天守閣は竣工後わずか39年後に落雷のため焼失し
以後昭和の再建まで天守のない城だったそうです。
昭和の再建はわずかな資料を基に
豊臣大阪城の再建を目指したようです。

そういうわけで
今のあの大阪城は
冬の陣夏の陣のあの大阪城とは全く別のものなのですね。
復元と言うにもサイズが違いすぎるみたいです。
知りませんでした。

それはともかく
つい先頃平成の大改修(平成7年〜9年)を終えたばかりの
大阪城は是非見ておきたかったので
大阪の街について最初に向かったのは大阪城なのでありました。

大阪城は近づくにつれてその大きさが実感出来る
圧倒的な迫力でありました。
城内は5階まではエレベーターで
そこから上は階段で8階まで上がるようになっていましたが
急ぐ人は一階から階段でと言うお話でしたので
がんばって下から階段で行ってみることにしました。
疲れました。

でも8階が展望台になっていまして
そこで受ける風はハイキングで
小高い丘に登ったときに受ける風に似て
とても気持ちが良かったです。
5月は大阪城天守閣にのぼるには良い季節みたいです。

そこから一階ずつ降りて来ながら展示物を見学してくるのですが
(何故か6階はない)
どの展示も黒山の人だかりで
何をやっているのかよく分かりません。
どうせたいしたものは展示してないに違い有りませんので
見えなくたって悔しくないです!
それよりおなかがすいたので早く降りることにします。

当たり前のことですが大阪城にはレストランはなくて
城下の広場にあった安普請の観光地にありがちな食堂で
カレーライスを食べることにしました。
カレーは液体状のまるでシチューのようでしたがこれが案外美味しくて
特に不満無く食べることが出来ました。

この後大阪城を出て地下鉄の天満橋駅まで歩きました。
少し乗って淀屋橋駅近くの「適塾」に向かいます。

適塾というのは知る人ぞ知る、
今の大阪大学医学部の元になった
緒方洪庵の私塾「適塾」のことであります。
適塾は塾生の猛烈な勉強が有名で
全国から集まった優秀な学生が昼夜を分かたず
懸命に切磋琢磨して勉学に励んだそうです。

寝る間を惜しんだ学生たちは
熟睡してしまうのを嫌って寝るときは布団を使うことはせず
あえて板の間などの堅いところで仮眠をとるにとどめたと聞きます。
そんな寝方では寝不足の頭も回復せず
起きているときにも能率的な勉強など望むべくもありませんが
それほど勉強したという話でしょう。

適塾の中は塾を開いていたというのが信じられないほどに狭くて
この狭さで本当に勉強が出来たのか疑問に思うほどです。
しかしここから輩出した人材の豊富さを思えば
そんな疑問は意味のないものになります。

二階が主に塾生のいたところのようですが
一階から二階に上がる階段は
はしごの方がまだましかもしれないと思うほどの急階段で
気をつけないと足を踏み外しそうになります。

二階には大部屋や辞書の部屋などの部屋がありますが
何しろ学生の数が多いのでぎゅうぎゅう詰めだったようです。
大部屋では学生一人に一畳のスペースが与えられたと聞きます。
後に時代を動かす大物がそんな環境の中で育っていったんですね。

適塾の後僕が向かったのは難波でした。
一度道頓堀の街を歩いてみたかったのです。
連休の初日と言うこともあったのか道頓堀の街は大混雑でした。
東京で言えば新宿とか渋谷の繁華街ののりですね。
広いとは言えない商店街にいっぱいの人が歩いていて
この街に不景気はありませんですね。

道頓堀の商店街の入り口のところで
有名な「かに道楽」の看板を見ました。
あまりにも有名なのでもう何回も見たことがあるような気がします。
もしかしたら新宿か何処かにもあったような気もします。
(都内に7店舗、新宿だけで5店舗有ります。失礼しました)

更に歩いて行くと
あの有名な「くいだおれ人形」もありました。

なんだかいかにも大阪的な感じの
「くいだおれ人形」に圧倒されてしばし眺めるのでありました。
でもよく見るとこの「くいだおれ人形」のそばには僕と同じように
惚けて見入っていたり
そうかと思うと思い出したように写真を撮ったりしている人が
沢山いるのです。
どうやらこの混雑の人たちのかなりの部分は
僕と同じように関東から大阪を見に来た人のようです。

この後道頓堀から心斎橋の駅を探して
地下鉄御堂筋線で新大阪まで乗りめでたく帰路についたのでありました。
帰りは余裕でのぞみを買えました。

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