冬の京都に空也を見に行く


2003年01月03日


冬の京都に空也像を見に行く
この冬はなかなか旅行する気になれなくて
とうとう恒例の一泊旅行は見送りになってしまいました。

それでも京都日帰りならば気が楽なので
前から見たかった空也上人像を見に行くことにしたのです。
空也上人像というのは
口から出たお経が端から仏像になって行くという
あの有名な像ですね。

あの像は京都の六波羅蜜寺というお寺にあるのだそうで
そこに行けばいいと言うわけですね。
地図で調べてみると六波羅蜜寺の近所には
京都の東山、清水寺、智積院、方広寺、三十三間堂など
以前に行ったことのあるお寺ばかりです。
この辺りは何回もうろうろしているのに
六波羅蜜寺には行かなかったんですね。

ついでにこの辺りのお寺をいくつか回ることにしました。
高台寺、八坂の塔、建仁寺、六波羅蜜寺、泉桶寺
というのが今回のコースというわけです。

朝6時に起きて6時40分に家を出ます。
まっすぐ東京駅に行って京都の駅に着いたのが10時半でしたね。
やっぱり新幹線は速いですね。

まずタクシーで向かったのは高台寺ですね。
ねねのお寺と言うところに興味惹かれるものがありますよね。
そういえばねねは秀吉の死後高台院と言っていましたものね。
家康はねねが好きだったから
高台寺は家康に篤く保護されたという話もあるそうです。

お寺に入ってゆく道筋が悪かったのか
伽藍が点在していて
どこが本堂でどこが山門なのかよくわからないお寺でした。
ただ臥龍廊とか時雨亭とか
興味深い建物がたくさんあってその点では
面白かったです。

                    臥龍廊(龍が寝ているみたいだそうです)
高台寺の後は
ねねの道、一念坂、二年坂を通って
八坂の塔に向かいます。
東山の八坂の塔は東寺の塔や法隆寺の塔と違って
古くからの京の街の人家の密集した中に
立っていてちょっと不思議な感じです。
塔のすぐ足下に日常の生活があるのです。

    それにしてもやっぱり五重の塔というものは迫力のあるものですね。
    感心しました。

その後僕たちは建仁寺に回ることにしました。
我が家に建仁寺垣という垣根がありまして
この垣根は建仁寺発祥の垣根だと言うことなんですね。
それで建仁寺というのはどんなお寺なのか
一度見ておこうと言うことになったわけですね。

ところが建仁寺に近づくにつれて
僕たちはだんだんおなかがすいてきてしまったのです。
早くお昼を食べないとエネルギーが持ちそうもありません。
それで行く道すがら適当な食べ物屋さんを捜して歩いていたんですが
なかなか安心して入れるようなお店がありません。
せっかく京都に来たんですから
小さくても上品でおいしそうなお店で食べたいじゃないですか。

ところがおいしそうなお店は年末大掃除でお店を閉めています。

                   年末観光客お断り!と言う雰囲気ですね
営業中と書いてあるお店は
奥でそのうちの子が宿題やっていそうなお店ばかりです。
いわゆる地元密着型のお店ですね。
旅行者のはいるお店ではありませんね。

それで建仁寺を通り過ぎて延々歩いているうちに
家内がいま歩いているところが祇園であることに気づいて
昔行ったことのあるうどん屋さんがあるはずだと言い出したのです。
それで僕たちはガイドブックの地図を調べて
その「権兵衛」と言ううどん屋さんに行ってみることにしたのです。
「権兵衛」さんは確かにありましたが
やっぱり年末大掃除のさなかで閉店中でした。
僕たちと同じように
探してきたのに入れなくて残念そうに帰ってゆく人がいました。

思いがけず昼食難民になってしまった僕たちは途方に暮れましたが
気を取り直して繁華街を少し歩いていたら
「銀の塔」と言うシチュー専門店を見つけました。
確か昔銀座で「銀の塔」と言うシチュー専門店に入ったことがあります。
もしかしてと思って
狭い階段を上ってお店に入ってみると
やれうれしやまごうことなき銀座の「銀の塔」ののれん分けだそうです。
ここで銀座のあの店の味にあえるとは。
熱々のシチューに大満足の昼食でありました。

昼食後の建仁寺はおなかがいっぱいでさっと流す感じでした。
だいたい建仁寺垣がどこにあるのかわからなかったです。
境内のはじっこにしょっぱい建仁寺垣が少しだけありました。
本当はちゃんとあるらしいんですけど
建仁寺、年末体制だったみたいです。

そこからしばらく歩くと
いよいよこの旅最大の目的の六波羅蜜寺です。
六波羅蜜寺は最初平家の保護を受けて栄えたのだそうです。
それが源氏の世の中になって京での源氏の基地にされて
六波羅探題というのをおかれることになったのだそうです。
僕は六波羅探題という名前だけ記憶に残っていたので
六波羅蜜寺という名前に違和感を感じていましたがこれで納得出来ました。
六波羅の意味はわかりませんけどね。
近所のスーパーは六原マーケットって書いてありました。
字が変わって地名になっているんですね。

          空也上人像はこの奥の宝物館みたいなところにあります
空也上人立像、すごかったです。
凄く凄かったです。
僕はいままで何となく鎌倉時代というのは
彫刻の技術などは衰退期のような気がしていましたが
とんでもない間違いだというのがわかりました。
あの優れた彫刻がなぜ重文なのか理解出来ません。
すぐに国宝にするべきですね。
同じく展示してあった平清盛像なども
優れた彫刻でありました。

その後僕たちはタクシーで
泉桶寺(せんにゅうじ)に向かいました。
この泉桶寺というお寺は
御寺(みてら)と呼ばれる皇室ゆかりのお寺と言うことで
静かな厳かなお寺でありました。
山門をくぐると長い坂を下って伽藍があるというお寺ははじめてみました。
いろいろなお寺があるものですね。

                                形の美しいお寺です
帰り道僕たちは東福寺駅まで歩きました。
少しでも京都の街の雰囲気を感じ取って帰りたかったのですね。
東福寺駅には京阪電車とJR奈良線が混在していてわかりにくかったです。
それでも何とか京都行きの電車に乗って一駅、
あっという間に京都の駅に着いたのでありました。

                               JR奈良線、東福寺駅
京都の駅で土産物を物色しましたが今更欲しいものは何も無くて
(年をとるって悲しいですね。土産に欲しいものが何もないんですよ)
結局子供たちに生八つ橋を買って帰路についたのでありました。

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