金沢


2002年08月20日


B個室寝台で行く金沢
今年は家族で金沢に行くことにしました。
金沢は「利家とまつ」のおかげで今が旬のまちですので
今年見ておいた方がわかりやすいかなという計算もありました。

往路は上野発の夜行寝台列車にして旅情たっぷりの演出です。
僕は高校の修学旅行の時に夜行寝台列車で九州まで行った記憶があります。
大阪で乗り換えた記憶があるので
たぶん大阪から長崎くらいまでを寝台車利用だったんだと思いますね。
ベッドは3段だったように記憶しています。

今回は僕ももう年ですので
少し贅沢に個室を使わせてもらいました。
おかげで上野駅から金沢駅までの6時間半ものすごく快適でした。
欲を言えば、あとテレビが付いてればもっと良かったですね。
(そんなものがついていないから旅情があるんですけどね)

                     魅惑のB個室寝台!
それにしても朝6時半の金沢に着いてしまうのはかんがえものですね。
金沢の実家に帰る人は朝早くともかまわないと思いますが
僕らのような旅行者は朝の金沢じゃどうしようもないですね。
とりあえず宿泊先の全日空ホテルに荷物だけ預けて
身軽になって行動することにします。

朝ご飯は駅構内に朝食を出すところを見つけて済ませます。
とりあえず午前中に金沢城でやっていると言う
加賀百万石博を見てしまおうと言うことになって
タクシーで金沢城に行きました。
それが朝の8時でした。

そうしたら
お目当ての加賀百万石博は
朝9時からじゃないと開いていないと言うのです。
僕たちはあの巨大な石川門の前で
一時間待っていなくてはならないのかとがっかりしました。

でも僕たちは道の向かい側の兼六園が朝8時から開いているのを発見しました。
そうです先に兼六園の見学をすればいいのです。
(いえ、決して時間つぶしに兼六園に入った訳じゃないですよ)
いくら無学を持ってなる僕でも兼六園の名前くらいは知っておりましたので
一度は見ておきたいものだと思っておりましたので
百万石博のチケットを持っていないから兼六園の入場券の割引は無いという
悪条件にもめげずに家族4人計800円の入場券を買って
正しく入場したのでした。

                              ことじ灯籠、兼六園のベストショットですね。
兼六園は予想通りの美しい庭園でした。
でもきっと冬に来れば冬の兼六園の美しさが
秋にくれば秋の美しさの兼六園が見られるんじゃなかったかなって思いました。
要するにシーズンオフに来ちゃった感じがしましたね。

その後僕たちは予定通り金沢城を見学しましたが
こちらはまさに加賀百万石博そのものという感じで
この博覧会がなかったら金沢城の見学はどうなっていたんだろうって
思わず心配してしまうほどでした。

逆に言えば加賀百万石博はかなり面白かったです。
特に僕は「利家とまつ」をほとんど見ているので
展示物の言わんとしていることがよく分かってその意味で良かったです。

金沢城は利家の頃にあった天守閣を
火災消失の後、再建をしなかったそうで
天守閣を持たない珍しいお城だったそうです。
平和主義で文化を重視した前田家らしい行動ですね。

                             金沢城菱櫓五十間長屋。
その後僕たちは石川県立歴史博物館を見学することにしました。
ここは面白かったです。
石川県の古代から話題の戦国時代、
北前船で栄えた江戸時代を余すところ無く伝えて
非常に興味深かったです。
やはり金沢には歴史の深みがあります。

              石川県立歴史博物館。昔は兵器庫だったそうです。
ここで僕たちはすっかりお腹が空いてしまいました。
適当な昼食場所を探したんですが
何せ初めての場所ですのでよく分かりません。
周りに見えるのは木森ばかりで街からは遠く離れた感じです。
仕方がないので僕たちは一度駅に戻ってお昼をとることにしました。
駅の中にはおいしいお店が沢山あるのでこういう時には大助かりというものです。

お昼を食べた僕たちは
慣れない寝台車での寝不足、疲れもあって結構ばててしまっていました。
幸い投宿する予定のホテルは
1時からチェックインを受け付けてくれるとのことでしたので
昼食のあと僕たちは早めのチェックインをしたのでした。
その後僕たちは夕方まで寝てしまったのです!
夕食を食べるための起きた僕たちでしたが
食後は早々に部屋に戻って無為な夜を楽しんだのでした。
(金沢まで来て何やってんだか)


翌日は帰りの日でもあります。
朝から張り切っていくつか回ってから帰ることにしまして
(旅行者なら当たり前ですね)
城下町金沢周遊レトロバスというのを利用することにしました。
そうしたらこれが見ると乗るのじゃ大違いでした。
小さくて可愛くてすいすい走っているように見えたこのバスは
狭い車内には利用者が多すぎていつ乗っても大混雑です。
それでも乗り降り自由の500円券を買ってしまっているので
3回は乗らないと損をしてしまうシステムになっているんです。
もう金沢レトロバスはこりごりです。


それでもそのバスでやっとひがし茶屋街と言うところに行きました。
昔、粋人が茶屋遊びをしたところだそうで遊郭ではなかったと言うことでした。
息子は
そんなに喫茶店が集まって商売してどういうつもりだったのか
不思議に思っているみたいでした。

             やっぱり繁華街独特のなまめかしさがありますよね。
茶屋街のあと、ほど近いところにある「泉鏡花記念館」に回ってみました。
泉鏡花の不思議な世界にはずっと興味を持っていたのですが
その割にあまり読んだことはなかったので
この記念館訪問で僕の中で泉鏡花がまた一回り大きくなった感じがします。
もう少し泉鏡花読んでおかなくちゃって感じですね。

       小さくてきれいな建物です。泉鏡花記念館。
またレトロバスに乗って今度は長町武家屋敷跡に行きました。
武家屋敷ははっきり言って武家とは思えない贅沢三昧な感じの造りで
他の地方で見た武家屋敷とはずいぶん違った感じでしたね。
これが文化を大切にした地方ならではの生活なのでしょうかね。
それはそれで見事なものでした。

その後足軽資料館を見ました。
長屋ではなく一戸建てを与えられるなど
他藩の足軽よりは優遇されていたと書いてありましたが
質素で狭い住宅の上
俸禄だけでは食べられないので盛んに内職をしていたとのことで
なんだかかわいそうな生活だったみたいですね。
もっともあの生産性の低い時代に
武士は生産に従事しなかったわけですから無茶だったですよね。

                     足軽の住宅ですな。

ところで帰りの北陸線は台風のため少し時間が遅れました。
僕たちは越後湯沢で新幹線に乗り換える予定で
その連絡時間は10分しかありません。
ところが僕たちの乗った列車は台風のため7分の遅れで出発しました。
途中時間は縮まるどころか直江津では8分と広がりました。
車掌は各方面に連絡を取っていますと
アナウンスしていましたが僕らは落ち着きません。
結局僕らの乗った電車は
新幹線との乗り換えの越後湯沢に8分遅れで到着しました。

新幹線は4分待ってくれました。
僕たちは走って走ってやっと目指す新幹線の乗れたのでした。
怖かったです。

金沢の街は予想通り文化の薫り高い街でした。
機会を見てまた行きたい街の一つです。

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